ハンディマン レポ@劇団民藝

2019.8.3 川崎市麻生区黒川へ、劇団民藝の演劇を見に行く!楽しかった~。行って良かった2500円。

1、夫、観劇を希望ス(芸術を解する域に達したのですね!)

夫が、多摩区役所にてチラシを見つけてきたの。

狛江花火大会のチラシも多摩区役所でゲットし、タオル購入を強要されたのは記憶に新しいところです。(夫グッジョブ)

珍しく夫が妻を観劇にお誘いするという。

どうしたんだ夫!芸術など、解しないくせに!

・・・元々私が演劇など割と好きで、何回か夫を同伴させていまして。毎回ブツクサ言いながら来たり「一人で行け」と冷たくされたのだけれども。

私は優しいから、夫が見たい演劇に同行してあげるよ!事務所経費を借りてる弱みがあるし!

ふと、故・義母のことを思い出しちゃう。やっぱり血なんだね。きっと、義母の芸術を解する気持ちが夫に降りてきているんだ。ホロリ。

2、予約名簿

さて。

小田急線黒川駅と京王線若葉台駅の間に、劇団民藝のレッスン場があり。毎年、そのレッスン場で公演を行っているみたい。

夫が事前に電話で予約をしたところ、「2名ですね、オノデラ様ですね、はい分かりましたガチャ」だったらしく。(稽古中だったんじゃないの?ご迷惑だったろうに。すみません)入場時のリストに小野寺の名前がなかったみたいでした。

で、夫が「かくかくしかじか。多摩区役所のチラシを見て予約したんです、怪しいものではありません、ボクは善良な川崎市民です、初めて来ました!」と事情説明をしたところ、

「え!チラシ見てきてくれたんですね^^」と好感いただけたようです。

3、和光大学とのコラボ

私はそのころ、観劇料金2500円の支払いを夫に任せて、パンフレット作品展を見ていました~。

和光大学の学生さんがコンペ方式でパンフ案を提出してくれたらしいです。同じ台本を見ても、学生さんによってデザインが違うのって面白いネ。着眼点という個性を見るのは、おもしろかったわ。

4、客席裏でほうじ茶を

公演会場は2F。普段は入れない稽古場に入れるとはコーフンしますね♪

客席裏手では、ほうじ茶やコーヒーをサービスしてくれて。休憩中にいただいた。レッスン場らしい手すりや床の感じなどが「劇団員さんたちの汗と涙のオーラ」感があって感動いたす!

夫も「やっぱり女優さんて、目が開いているよね!」とウキウキしていました。輝いている人のオーラって、いいよね!

5、劇団民藝の基礎情報

劇団民藝は、川崎市麻生区に本社を構える株式会社です!

劇団民藝HP → http://www.gekidanmingei.co.jp/

代表者は女優の奈良岡朋子さん。資本金は1600万円ほど。劇団員166人!自社所有のレッスン場あり。平成25年分が決算公告されていて、立派です。

公演で多くの収入を得ている。すごいネ。育成所ではないため、入学金などの学費収入はない。

がんばれ、川崎の劇団民藝~♪

6、劇団民藝「ハンディマン」レポ

ここから先は、見た人だけしか面白くないと思うけど・・・

(1)ロマンと若夫婦

若夫婦の「じい」的な存在の「ロマン」さん。80歳近いじいさんが主役です。

嗚咽、という言葉が分からなかったり、ちょっとボケてるんかな~と思いつつ見る。11歳のコのお墓の話をしていたり、夫がガラケー携帯を活用しつつ金融派生商品で生計を立てていたり、時代設定などがまだよくわからない状態。

ロマン爺は、農業も料理も大工作業も家事全般、なんでも器用にこなして働き者。若夫婦はとても助かっているのです。

ロマン爺は、妻の亡き父親が連れてきた「お手伝いさん」的な人。まぁ、時代が時代なら、執事ってとこでしょう。妻の亡き父親はウクライナの元軍人で、エライ人だった。その後、色々あってウクライナからイギリスへ引っ越してきたみたいだった。

妻はイギリス人の皮肉屋の夫と結婚し、しばらくして妻は父親を亡くし、夫婦とロマン爺と3人で暮らしていた。

ある日、刑事が2名、家宅捜索に来て。ロマン爺は、かつてウクライナで従軍し、ユダヤ人を虐殺した疑惑を持たれる。

さて。

(2)弁護士登場

ロマン爺への従軍時虐殺疑惑について、若夫婦は弁護士依頼を行う。哲学が得意な事務弁護士は女性で、夫がユダヤ人。

登場してすぐに、若夫と挨拶をするが、なんか相性が悪そう・・・。しかし、外国人ってYESとNOがはっきりしていて、

若夫「私はオペラが好きです」

美人弁護士「私は好きではありません」

若夫「私の仕事は金融関係です。下に見られることがあるが、お金でお金を生み出すことは悪いことじゃない」

美人弁護士「私は下に見ていません。なぜいちいち顰蹙をかうような一言を付け加えるのですか」(はっきり言うよね~。なんかドキリとしちゃう)

というケンカでもない議論が発生する。日本じゃありえない会話だけど、こういうはっきりした会話って分かりやすくていいな、と思うわ。腹の探り合いって時間の無駄だよな~って思ったり。

妻は成人大学でジェンダー論を勉強していて、あんなの役に立たないのに、と自分の妻をディスる夫。

事業があんまりうまくいってなさそう。の割には、脱税の捜査かと思ってヒヤりました、とか言っているし。ちゃんと納税しろ~!

舞台上ではロマン爺と美人弁護士が2人で面談のシーン。

穏やかなロマン爺は、ウクライナ出身だから英語があまり得意ではなく。そうか、だから「嗚咽」の意味が分からないし、言葉が短文でストレートなんだ。むしろ、聞いてる私からすると聞きやすい。

うむ。短文でストレートって、聞きやすい。私もそんな風に話すように心がけよう!

ロマン爺は、段々と感情をあらわにする。短文が感情をたたみかける。

「私は従軍しましたが、コックとして、です」

「私は、今はイギリス国民として暮らしています」

「私は、母国ウクライナには誰も知り合いがいないし、手紙を書かないし手紙は誰からも届きません」

「私は、イギリスを愛していますし、善良な市民として納税をしています」

「私は、カトリックです。神を信じています。」

「イギリス女王陛下を信じています。」

「私は、無実です!」

スポットライトが消える。静寂。

わたしはロマン爺の気迫に圧倒された!休憩15分。

あ~。すごいな。人ってスゲーな。

(3)取り調べ

ロマン爺は美人弁護士と共に、スコットランドヤードまで出頭し、取り調べを受ける。

そこでは、様々な証拠により、ロマンのユダヤ人虐殺疑惑について調べていく。

当時の写真とロマン爺の証言により、当時従軍していた部隊には、ロマン2という同じ名前の兵隊がいたことが分かった。

警察は、「ロマンさん違い」をしているのでは?ロマン爺はコックとして従軍しただけで、現地には行っていない。だって、調理場は現場にないのであるから、というロマン爺の思い。

50年以上も前の記憶は、風化している。でも、虐殺の現場には調理場がない。ロマン爺はコックだ。持っていたのは銃ではなくフライパンだ。従軍したのは、祖国ウクライナがロシアのスターリンに占領されたからだ。ユダヤ人が憎かったからではない。記録にある軍からの給与は、従軍コックとしての給料だ。ウクライナでは普通の農家であり、従軍前に軍隊や警察に籍はなかった。記録は人違いだ。

捕虜施設で軍隊のエライ人と知り合い、彼の車いすを押す役目を果たしていたから、その貢献度を見込まれて軍のエライ人と一緒にイギリスへ来たと思っている。虐殺を行った見返りのイギリス入国という事実はない。

ロマン爺の証言に、納得する私。うん、ロマンさん違いじゃない?警察の勇み足でしょ。

(4)2人の証人

警察は、証人の証言をロマン爺へ告げる。

下品な軍曹が舞台の奥にスモークを伴って証言する。すごい、迫力だよ。

80代の軍曹は、ならず者の雰囲気たっぷりに当時のユダヤ人虐殺の様子を話す。片腕の「なんでも器用にこなす働き者の」ロマン爺と共に、虐殺の詳細を説明した。

刑事が言う、「軍曹、証言のためにイギリスに旅行に来ませんか」

軍曹はいやらしい笑顔で言う、「ああいいな。イギリスの女性は美しいと聞いているからな。証言に行くさ。ロマンのやつ、俺が30年もブチこまれている間、自由に生活していたなんて気に入らないな」

・・・軍曹の証言は、正しいのか否か。記憶は確かなのか?

次に、シスターが舞台上に登場する。

ロマン爺とは近所の人だったのか面識があるようだった。ロマン爺の行方不明の妹と同僚だったようだった。

シスターが証言する。

「ええ。ユダヤ人が虐殺された日、私は寮の窓から軍隊のトラックから石灰がこぼれているのを見ました。気になって現場を見に行きました。」

「ロマンさんがマシンガンを持っているのを見ました。ユダヤ人が大きな穴へ入っていて、這い上がろうとして地面をかきむしる手が見えました。それを・・・。」

「夜、ロマンさんは食事を作っていました。火の近くにいたので顔が見えましたから間違いありません」

「寮に戻り、ロマン妹へ”あなたの兄がこんなことをしていた”と告げてしまいました。彼女は、私を告発しました。そして私は神父様がこっそりとトラックの荷台に載せてくれて、今の修道院にいるのです。」

「彼女は消されました。神父様は”呪われているんだ!”とロマンさんに告げ、数年後に消されました」

・・・・ところどころ、ロマン爺の証言や軍曹の証言と一致している。けど、同僚のロマン妹との感情論や告発などの部分で証言の信ぴょう性に一抹の疑いがあるよね。こんな恐怖心の中、忘れることが出来ないというが・・・。

(5)告訴される

ロマン爺は告訴された。いったん帰宅したロマン爺を報道陣が取り囲み、若夫婦は困惑した。

若夫は金銭面の心配をし、今後の生活を不安視した。

若妻はロマン爺の有罪を心配し、自分(ロマン爺のことも含めて)の名誉について心配した。

弁護士は、正義について説教した。

「50年前の戦争当時についてロマン爺を有罪にして牢屋に入れて、更正させて何の意味があるんだ」という思い。

「殺された人が失った年月への贖罪」という思い。

「悪は裁かれるという社会への見せしめ」という思い。

「民族浄化という宗教観と人権の問題」という思い。

「記憶の風化、戦争への思いの風化」という思い。

クライマックスでは、妻と美人弁護士の感情の吐露のぶつかり合い。女優さん、涙目!!

美人弁護士が妻をつい平手打ちしてしまい。黙っていたロマン爺がゆっくりと立ち上がり、幕。

(6)私の思う結末。ロマン爺は無実

あれですよ。ラストはあなたが決めるんです、みたいなヤツ!

結局、ロマン爺はユダヤ人をマシンガンで撃ったのか、撃っていないのか。事実はどうだったのかは不明のまま幕。誰の記憶が正しいのか、分からないまま。

私は、ロマン爺ひいきになっちゃったから、シスターの記憶は誤りだと思う。

シスターはロマン妹と不仲だったんじゃないかしら?夜だけど火の照り返しでロマン爺の顔が見れたって、そんな近くで盗み見してた?それに、ユダヤ人の悲鳴が聞こえる中、寮から抜け出して現場見に行く?後日、見に行ってそのショックで想像と現実がごっちゃになっちゃったんじゃ?

というわけで、シスターの証言は信用できない。

軍曹は、別にロマン爺でもロマン2でもどっちでも構わないわけで、刑事の誘導で思いこんじゃったのでは?イギリス旅行を楽しみにしていることからも、証言は信用できない。

以上のことから、おのでら裁判官の結論は、ロマン爺は無実

ロマン爺は、軍曹やシスターの証言があったから自分の記憶に自信がなくなってしまったみたいだった。こうやって、周りの記憶から「あなたの記憶が間違っている」と言われたら、自分の記憶が間違っていたと思ってしまうよね。

コワイな。事実って、周りが勝手に作るものだなんて。

・・・戦争の記憶や、特定の誰かとのやり取りって思い込みや誤解が多いんだよね。だから、無用なケンカになっちゃうんだよ。ハッキリ、言えばいいのにね。言えないのね。

(7)シニア考

それにしても、シニアの演技ってスゲー!以前も弁護士さんの出演する演劇を見に行ったけど、シニアのばあさんの演技がすごかったよ。

年季がはいった演技もそうだけど、ご高齢でこのパワー、声、動き、台詞覚え。私がバーチャンになっても、こんな生き生きと暮らせるといいな~。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。