時代遅れの梨 長十郎。”時代遅れ”スタイル

2020.8.22 長十郎梨について、考えてみます。

昨日、近所の梨園で長十郎梨をもいできました~♪

・長十郎梨について

「長十郎梨」は、私は数年前に初めて知ったの。

梨といえば、幸水・豊水・20世紀・・・・でしょ?なんですか「長十郎」って?農家さんの名前ですか?と思ったんだけど。

梨の名前なんだってさ!

長十郎梨は、川崎発祥の梨なんだそうです。詳細は下記に!

長十郎梨は、他の梨と比べると、そんなに美味しい梨ではない・・・・。(農家さんが言うくらいだからね)

今は、花粉用で育てられていることが多いんだってさ。

でも、私は長十郎を知ってから、3年連続で食べているの。他の梨の方が美味しいのに。だって、長十郎梨って、他で食べられないんだもん。貴重な梨を食べておきたいじゃん。

・長十郎梨のいま昔

参考URL http://www.maboroshi-ch.com/old/ata/lif_13.htm

むかし、梨と言えば長十郎梨が一般的だったそうな。

しかし、技術革新がすすみ、だんだん影が薄くなってきたそうな。

そこへ、梨の病気が流行ってしまい、その年の梨はほぼ全滅だったそうな。

ところが、長十郎梨だけは無事じゃった。病気に強い梨なんだそうな。

こうして、味はともかく丈夫なので、現在でも生き残っている。

また、長十郎の病気に強い特性を生かし、他の梨の花粉のために貢献しておるそうで、梨の先祖を辿ると、長十郎のDNAが入っていることもあるそうな。

長十郎梨のマーケットシェア推移

明治26年に川崎の大師河原の農家さん当麻辰次郎さん(文政9年生まれ)が自分の梨園で新種の梨を発見した。

長十郎と名づける。

長十郎梨のマーケットシェア推移を見てみましょう。

(上記URLをまとめたものです。)

日露戦争(明治37年~38年。西暦1904~1905)あたりでは、長十郎の梨市場のシェア80%

大正12年頃(1923)、スイカやバナナに客をとられる。

昭和 2年(1927)、黒斑病のワクチン開発、長十郎の人気がなくなる。(長十郎は黒斑病に強い品種のため人気だった)

昭和 9年(1934) 長十郎の梨市場のシェア44%

昭和62年(1987) 長十郎の梨市場のシェア9%

平成13年(2001) 長十郎の梨市場のシェア2%

・・・・もう、絶滅しちゃうのかしら、長十郎梨。

・見直される時代遅れスタイル

進化がよいとされています。でも、目的を見失ってませんか?進化が目的になっている。なんのために進化したいのかが忘れられている。

昔ながらのスナック菓子が、なんとなくマイナーチェンジされたりして、私はガッカリするよ。昔のままでよかったのに。

今はコロナだから、WEBで済ませようと何かとやっていて。ビジネスチャンスだと思う業者がせっせと広告している。目新しいからと報道させて行政の予算がついて、「時代はWEB!!」みたいにやっていますが。

飛びつくの、アホかと!

なぜ、WEB会議や在宅勤務が進まなかったのかといえば、報道的には「エラい人がトンカチ頭だから」なんでしょうけど、本当にそうかね?

私はね、時代遅れスタイルが見直されると思うよ。

なんでも新しいからってパっと飛びついて、みんなで同じことするのは意味がないです。

・リスク管理。3歩進んで2歩下がる~♪

ポートフォリオ・リスク分散の観点から、時代に沿った新しいもの&昔ながらのものをいいとこどりしないとダメ。

昔のことだけやってればいいのとは違う。適切な融合をしなければ。

三歩進んで二歩下がる~♪ くらいの成長がいいのでは。

昔から残っていることは、理由がある。上司がトンカチ頭だから推進できなかった、という理由もあるけど、見落とされたメリットがあるやもしれぬ。

たとえば、黒電話はダイヤルが戻る時間が無駄だけど、警察110番・救急119番は、ダイヤルして待っている間に心を落ち着かせるためにわざと末番号を「0」「9」にしたんだよ。

え、意味わかんない?例え話をミスってる?

・・・・。

農業では、様々な品種が存在することがよいという考えから、相当数の品種が(これ、もういらなくね?みたいなやつも)役所で保護されていると聞いた。農業技術センターとか、そういう役割です。税金を使って、多様な品種を保持します。

食料が全滅したら、暴動が起こるからね。

この役割いらないよね、この業務いらないよね、ということがあるのかもしれない。役割を終えて消滅するのは仕方がない。けど、これまでのレガシーに敬意をもつべきよ。

時代遅れから学べ。(あ、わたしのことではありませんよ。多分)

目先の経済的効果にとらわれると、絶滅する品種がある。ひっそりとした役割あったと後から知っても、いなくなってからではもう遅いじゃん。

時代遅れの長十郎を、ぜひ食べてください!

長十郎から学べ!

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。