政府税調 16回 納税環境整備と相続税・贈与税の専門家会合。おのでら予想も。

2022.9. 政府税調16回。2022年9月16日開催。

終盤、納税環境整備の専門家会合からの報告と、相続税・贈与税の専門家会合について、書き起こしです。おのでら予想も!

政府税調 16回、令和4年9月16日開催。今回は委員からの意見を聞いたメモです。

政府税調 16回 → https://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/zeicho/2022/4zen16kai.html

土居委員の総論・超過負担(前々回の記事)→ https://mina-office.com/2022/09/28/seifu-zeicho-16-choukafutan/

委員の意見 ビンタの張り合い回(前回の記事) →

おのでらの予想

納税環境整備と相続税・贈与税について、ほぼ書き起こしをしましたっ

相続税・贈与税の専門家会合は、前から決まってるよ~。何を騒いでいるっ。

・納税環境を予想

複式簿記とデジタル化、進むでしょう。

プラットフォーマーからの支払調書、本格化するでしょう。

税逃れへの対応強化は歓迎するけど、善良な市民が巻き添えになり、税務調査のために申告するような事態が起こらないように注視したい。(税務署は追徴マシーンじゃないぞ!変な利用をされないようにせねばならぬ)

PC苦手な人にデジタル介護(税務支援)はじまるか?

電子申告義務化は間近。割と強引にでも、やりそう。

私の予想では、マイナンバーによるフリーランスの収入捕捉を進めるにスーパーヒトシくん。同時に、消費税の免税制度がなくなるかも。

・相続税、贈与税の未来を予想

相続税と贈与税の一体化はない、とみています。

贈与税の110万円基礎控除は続くと思うな。おそらく、贈与税の税率は上がると思う。年間の贈与額800万円(だったかな?)を境に、相続税よりも贈与税が安くなるので、それを封じ込めると思う。

相続時精算課税は、使い勝手向上と言っているので、税制改正があるでしょう。

被災による相続時精算課税財産の評価減が本命。強くありえる。

年齢制限、なくなるかもね。

相続時精算課税財産も、小規模宅地等の特例を有にするかもしれない。(現行はダメ。精算課税財産は、贈与だから。)

教育資金、結婚子育て、住宅資金の非課税は、使い残しを相続時精算課税に含めるべき。このあたり、整理すべきだけど、住宅と教育は政治家から反対されそう。(去年も改正は実現しませんでした)

トンデモ改正として、精算課税の贈与がない年は基礎控除110万円を認める、みたいなのありえる。(ルールの簡素化の観点から政治家がやりそう)

ちなみに、政府税調では2020年12月にも議論がありました。過去記事「政府税制調査会2020年11月13日@資産移転の時期 相続税課税方法」

→ https://mina-office.com/2020/12/01/seifu-zeicho-201113-sisaniten/

・納税環境整備の専門家会合から報告

岡村委員(納税環境整備)書き起こし

1.26

有識者の方々からのヒアリングをふまえ、税務行政、納税環境整備の専門回会合について報告を述べる。

記帳水準の向上の観点から、納税者の手元の財務情報について納税者の負担軽減を踏まえつつ、デジタル化による、複式簿記・トレーサビリティにより適正性を高めるためにはどうすればいいのかを中心に議論してきた。

今後は、OECDプラットフォーム事業情報のモデルルールように第三者からのデジタル情報の活用による課税の適正化を進めていく方向である。

課税のデジタル化を通じた信頼性の高い税情報の活用、納税者の利便性向上、申告内容の適正性向上について、検討する必要があると考えている。

あわせて、誠実な納税者を守るためにも、税に対する公平性を損なう場合への対応を検討するべきと考えている。

高齢者など個別のサポート対応を取り上げてはどうかと考えている。

中里会長

ウィズコロナ時代への、国際化・デジタル化が進む税務手続きの適正化について重要なご指摘であると考えている。

先ほど佐藤委員からあった、簡素な税制への意見も踏まえ、総会への議論をまとめていただきたいと考えている。皆様、賛同いただけますか。

・相続税・贈与税の中立的な税制構築等<書き起こし>

1.29

中里会長より

相続税贈与税について、資産移転の時期の選択により中立的な税制の構築等に向けた相続税・贈与税のあり方について、専門家以下会合を設置し、増井委員を中心に、準備してきた。

総会についても、各税目への議論に移っていくため、以前決めた通り、専門家会合で議論いただきたいです。

資料のとおり、相続税贈与税について、資産移転の時期の選択により中立的な税制のどのように構築していくかについて、様々な議論がされてきていると承知しているが、

相続税の課税方式について、現行の法定相続課税方式から、諸海外のような遺産課税方式や遺産取得課税方式への移行といった大掛かりな見直し議論は中期的な検討課題となる一方、

現行の課税方式において利用状況が低迷している相続時精算課税制度の使い勝手の向上を含め、資産移転の時期の選択により中立的な税制に向け、どのような方向で対応することが考えられるか、これは当面の課題として考えられるのではと思います。

なお、この相続税贈与税に関しまして、一部、近々、暦年課税が廃止されるのでは、110万円の基礎控除が使えなくなるのではと言う懸念があるようですが、そのような議論ではなく、理論的実務的なご議論をいただきたいと考えております。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。